2017年 05月 13日
草は枯れ、花は散る |
お隣の人が突然亡くなった。
ずっと親しくしていたのに、
これからもずっと一緒に年を重ねていくと信じ切っていたのに・・・。
まだ70歳になったばかりなのに。
私たちは「向こう三軒両隣」6軒の家で毎月積み立てをして年に一度温泉に行ったり、料亭にいったりしていた。それも30年間。その間にNさんが亡くなり、Sさんも2年前に亡くなった。そのSさんの妻であるSSさんが10日の日に亡くなったのだ。
彼女は看護師さんで、とても働き者できちんとした人だった。
4月に一人で病院へ行って、一人で「膵臓がんです。余命は1年です」と聞いてきたという。
彼女はそのことを息子と娘に話し、それからいろいろ整理した。
自宅療養を希望したので、看護師の娘と嫁が介護休暇を取得した。
息子はおいしいものを食べさせようと奔走した。
彼女は畑に植えた野菜苗を世話し、隣家との間にある草をひき、家の周りをきれいに掃除した。
合唱グループのリーダーであったのでそのお世話もした。
2週間前に痛みが強くなり入院した。
そのとき葬儀参列者のための遺書も書いた。
「私は天寿を全うしたと思います。
大好きなお父さんと一緒にいるので泣かないでください。
気がかりは母のことです。
・・・・
でも皆さんはまだこの世での仕事がありますからよくお医者さんに行って健康に気遣ってください。さようなら」
葬儀参列者の私たちのためにまでメッセージを書いていたなんて・・・。
笑顔がたえないしっかり者だったから、たくさんの友だちが別れを惜しんでいた。
余命1年が余命2週間になってしまうことを彼女は知っていたのか。
彼女の死に方は、彼女の生き方同様かっこよすぎるよ、と思う。
早起きでいつも身支度をきちんとしていた。
髪もいつもきれいにしていてお化粧もきちんとしていた。
私なんかがパジャマでうろうろしている時間に彼女はもう窓をピカピカに磨き上げていた。
あるいは畑仕事を終えて帰っていた。
本当に働き者だったね。
私も少しでも見習おうと葬儀から帰ってから、隣家との間の草を取った。
明日からそこにいないなんて寂しすぎるけれども、お医者さんに行って検診を受けてくるね、今年は。
ありがとう、SSさん。
by pompom518
| 2017-05-13 21:17
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